スローライフを漕ぎ始めました<フリーシティパドラー>西山雅敏さん

SUPを始めたきっかけや日々の楽しみ方など、お伺いしてみると話が尽きず、このたび「ZUTTOな人々」でご紹介させて頂くことになりました。
「60代は、人生でいちばん楽しめる年代」。そう語る西山さんのシニアライフをお聞きしました。
目次
SUPに出会ったのは、60歳を過ぎてから
編集部:SUPとの出会いを教えて頂けますか?
西山 雅敏さん(以下、西山):長年にわたり自動車メーカーで働き、60歳で定年した後も再雇用で勤務していたのですが、私は「60代はお世話になった社会への恩返し『社会貢献のフェーズ』」だと思っているので、定期的に開催される会社主催の地域クリーンボランティアなどによく参加していました。
マツダスタジアム周辺や比治山、ベイサイドビーチ坂など、掃除をする場所はいろいろでしたが、2023年に、太田川で開催される全国規模のSUPレース大会「RiverDo!2023」の会場清掃に参加したんです。
当日の朝、北海道から沖縄まで、400人以上のパドラーが本川の川面を一斉にスタートした光景は今でも忘れられません。
その迫力、カッコよさ、何より「都会のど真ん中で自然と向き合って楽しむ姿」に、完全に心臓を鷲掴みにされました。

広くて穏やかな広島の川はSUPに最適。川沿いの緑も美しい。
「これは、俺にもできる」——初めて川に立った日
西山:翌日、会社の総務部からこんなメールが届きました。
「今回のクリーン活動で、SUPに興味を持った方おられませんか?」
SUP体験会のご案内メールでした。正直に言うと、ちょっとお得な価格だったこともあって(笑)、さっそく申し込みました。
編集部:初めてボードに乗った時はどんな感じでしたか?
西山:それがですねぇ、いざボードの上に立とうとしても、グラグラがひどくて立つどころじゃないんです。(笑)
それでも「練習すれば俺にもできるし、これは長く続けられる”生涯スポーツ”かもしれない」と直感したんです。
誰もいない川の上をゆっくりと漕ぐ解放感、自然との一体感は、それまでの人生で味わったことがありませんでした。
正直、「これはヤバいな…!」と思いましたね。
▼(動画でどうぞ!)西川さんのSUPクリニックでゆっくりとフォームをチェック中。
※注:音が出ます。
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SUPはスポーツであり、移動手段であり、暮らしの一部
編集部:西山さんにとってSUPはどんな存在ですか?
西山:私にとってSUPは、もはや特別なレジャーではなく「自転車がわり」ですね。
広島は「川とデルタの街」で、市内の川には数え切れないほど多くの雁木があって、私の家からも300メートルほどSUPボードをドーリーで転がせば、すぐ川へ出られます。いたるところに雁木があるので、大抵の場所に上陸もできます。
これまでSUPで出掛けた先は、ミュージカルCATSの観劇、縮景園のお茶会、住吉神社への初詣、サンフレッチェ、レジーナやカープの観戦、美術館、映画館、歯医者への通院も…。
自転車なら10分で行けるところでも、SUPで40分かけて行くのが私のスローライフスタイルです。
広島の川沿いにはレストラン、カフェなど賑わい施設も多くて楽しい。私がSUPを始める動機としてもこれが大きかったです。そして間違いなく、「広島だからこそできるSUPの楽しみ方」だと思っています。
また、広島駅構内で外国人旅行者を案内する市民ボランティア活動「Hello! Hiroshima Project」のメンバーでもあり、週末の活動には広島駅まで『SUP通勤』しています。(笑)

雁木から川へエントリー。引き潮や満ち潮に合わせて川を行き来するそう。
年齢も肩書きも関係ない、SUPで広がるつながり
編集部:SUPは健康にも良さそうですね。
西山:体幹を使うので健康に良いのはもちろんですが、もうひとつ、SUPを始めて良かったと思うのが「人との”ゆるい”つながり」が生まれるところです。
SUPで知り合った人たちは、年齢も職業も、住んでいる場所も、本当にバラバラ。
広島には87歳で毎朝漕いでおられる“レジェンド”級の方もおられますし、親子三代で楽しんでいるご家族もいます。元安川の川面で知り合った福岡のパドラーさんと一緒に博多湾を漕いだり、Instagramでつながっている東京のパドラーさんとレース会場で顔を合わせたり、お互いの知り合いが知り合いを呼ぶような感じでつながりが広がっていますね。川を漕いでいる時に、川岸で休んでいる人や、外国人観光客と自然に会話が生まれることもあって、人との出会いが本当に嬉しい。
SUPは、ただのスポーツではなく、コミュニケーション・ツールでもあると感じています。

マジックアイランドのオーナー西川さんと。人馬一体ならぬ「人板一体」のベストはオリジナル。
好奇心が、人生を前に進めてくれる
編集部:ボランティアで、川辺の草刈りもされるそうですね。
西山:ボードに5kgの草刈り機を積んで、自宅から2.5kmの RiverDo!フィールドに運んで、草を刈ったこともあります。たぶんSUPで草刈り機を運んだのは私が「世界初」じゃないかな?(笑)
編集部:SUPの上でヨガもされるとか。チャレンジ精神が素晴らしいですね!
西山:私は昔から、好奇心が強いほうだと思います。
どんな分野でも新しいものには、もれなく興味津々な体質。
先日聴いた為末大さんの講演会で、強く印象に残っている言葉があります。
「好奇心が、人生をドライブする。」
まさにその通りだと思います。退屈は、人生にとって最大の敵だと思っています。
広島の街で、当たり前のように見過ごしていた川ですが、目を向けてみると、まったく新しい世界が広がっていました。
SUPってどこが楽しいの?と聞かれたら「漕いでみないと分かりません。一緒に漕いでみませんか?」って答えますよ。(笑)
60代は、いろんな意味で人生でいちばん”豊か”な年代。
私は本気でそう思っています。「黄金の60代」を楽しみましょう!

SUPのことを話していると、笑顔が絶えない西山さん。

川辺で遊ぶ人たちが気持ちよく過ごせるよう、草を刈ってお手入れ。
プロフィール
西山 雅敏(にしやま まさとし)
編集部より
西山さんの姿勢は、「小さなきっかけ×好奇心で人生が豊かになる」と教えてくれました。
「私も何か新しいことにチャレンジしたいなあ…!」という気持ちになった取材でした。






