高年齢者雇用促進セミナーに参加しました!
2024年10月25日(金)、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構広島支部、広島労働局主催の「令和6年度 高年齢者雇用促進セミナー」が開催されました。
事業所を対象としたセミナーで、シニア雇用に関心をお持ちの企業・団体のご担当者が多数参加されており、ZUTTO編集部も受講しました。なお、10月が「高年齢者就業支援月間」であることにちなんだセミナーだそうです。
開会ごあいさつ、および県内の雇用情勢について
セミナーの冒頭では、広島労働局 職業安定部 職業対策課長の細木さまのご挨拶の後、同じく職業対策課課長補佐の坪見さまより、県内の雇用情勢についてご説明がありました。
坪見さまからは、
・広島県内の高年齢者の求職者数が増加している。
・60歳以上の方のニーズに合った就職支援をしているので、お近くのハローワーク「生涯現役支援窓口」や産業雇用安定センターを活用してもらいたい。
・若年層の確保が難しい昨今、事業所では人手不足にならないよう早めの70歳までの高年齢者就業確保措置の導入が重要。ベテランである高年齢者を長期に雇用することが他の世代の安心感にもつながり、働きやすい会社なるのでは。
などのご紹介がありました。
講演①|「生涯現役」に向けての取り組み
–高年齢者が生き生きと働くための取り組みについて-
リライアンス・セキュリティー株式会社 執行役員 採用教育研修部長 有田 恭彰さま
広島県広島市で警備業務、設備管理を行うリライアンス・セキュリティー株式会社は、多様な人材の活躍、ダイバーシティ経営に取り組んでおり、特にシニア社員の方が多く活躍されています。
令和6年度高年齢者活躍企業コンテストでは、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構理事長表彰 優秀賞を受賞されました。他にも、県内警備会社では唯一「広島県働き方改革実践企業」を、中四国の警備会社で唯一「健康経営優良法人ブライト500」を認定されるなど、社員が健康で生き生きと働く企業として注目されています。
シニア層活躍に至った背景は、平成21年(2009年)、大型商業施設のオープン警備受注を機に、人材確保の対策として「社員雇用の推進」とともに「シニア層活躍」の取り組みをスタートさせたことでした。15年前は0だった70歳以上人材の在籍が、令和6年(2024年)現在、36名に増えているそうです。
シニア人材が活躍できる環境づくりとして、健康への配慮(健康状況の把握、感染症・熱中症対策、防寒対策)とあわせて、
・シニアに重要な戦力として期待しそのことを伝えること
・シニアだけでなく働く全従業員に「若さ」を求め、お客さま感動を求めること
を挙げておられました。シニア世代の採用基準や警備員教育も若手社員と同じ高い基準で実施されているとのお話は印象的でした。
講演②|「高年齢者の戦力化に向けた制度づくり」
-70歳までの就業確保をするための進め方-
Office-Ueda社労士・行政書士事務所70歳雇用推進プランナー 上田 義博さま
少子高齢化が進み、労働人口が減少する中、高年齢者が活躍できる組織づくりについて、以下3つのトピックでご案内がありました。
1.高年齢者雇用が必要となる背景と労働力の現状について
2.高年齢者が活躍できる組織になるために
3.シニア世代を理解する
印象に残ったお話としては
・あるべき姿として、シニアへの期待値など、シニア・上司・会社が考えを共有すること。
・結晶性能力と言われる一般的知識や判断力・理解力など、シニア世代で伸びる能力もあること。
・企業は自社に利益を生む仕事を評価すべきであり、それについてはシニア社員も現役社員も同じで年齢は関係がないこと。
などがありました。
また、60歳以降、自分にどのようなスキルが求められるか、心構えはどうあるべきか、45歳前後に達した社員に対しての研修も効果的なことも挙げられていました。
本セミナー主催の(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構でも研修が用意されていることや、70歳雇用推進プランナー・高年齢者雇用アドバイザーの活用もご案内いただきました。
生涯現役社会の実現に向けた高年齢者の就業支援について
公益財団法人 産業雇用安定センター 広島事務所 副所長 児玉 知之さま
雇用のお悩み解決のサポートを行っている「産業雇用安定センター」。全国47都道府県に事務所が設置されています。
1987年に当時の労働省や経連、産業団体などが協力してできた機関で、「失業なき労働移動」を支援する公的機関として設立されました。
例えば、「早期退職を募らなくてはいけなくなった。従業員の次の就職先を見つけたい」というときの再就職支援や、まだまだ活躍できるシニア社員の再就職支援などを行っています。
また、個人登録になりますが「キャリア人材バンク🄬」の紹介もありました。60歳以上のもっと働きたいを応援、66歳以降も働くことを希望する方と高年齢者の活用を希望する企業をマッチングしているとのことでした。
65歳超雇用推進助成金のご案内
(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構広島支部 高齢・障害者業務課 宮本さま
65歳超雇用推進助成金について、以下のご紹介がありました。
1.65歳超雇用推進助成金の概要と支給までの流れ
2.65歳超継続雇用促進コースの内容
3.高年齢者評価制度等雇用管理改善コースの内容
4.高年齢者無期雇用転換コースの内容
5.支給申請の手引きと申請様式など
この助成金は3コースあり、支給要件などの読み解きも難しく感じましたが、各コースの申請様式や支給申請の手引きをダウンロードできる、ホームページをご紹介いただきました。
最後に、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構 広島支部長の伊藤さまよりご挨拶があり、セミナーが閉会しました。
生涯現役社会の実現に向けて、広島県内の雇用情勢から企業の「生涯現役」に向けての取組、就業支援まで、詳しく学べるセミナーでした。
セミナーの内容については、参加企業からシニア雇用の現場の事例を知りたいとの声もあり、シニア雇用に取り組んでおられる企業の事例、今回はリライアンス・セキュリティー株式会社の講演をプログラムに取り入れたそうです。
(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構のホームページでは、他にも高年齢者雇用支援の情報を豊富に提供されています。
高年齢者雇用に関心をお持ちの方は、ぜひご覧ください。