イベントで地域と仲間が輝き、そして私も輝く<楽創 代表>上野 登亮子さん
上野さんは明るく弾む声とともに「写真に写るから美容院とネイルに行ってきたのよ!」というキュートなお姿で登場。雨でどんよりとしていた部屋の空気が、パッと向日葵が咲いたように明るくなりました。
その輝きはどこからくるのでしょうか。現在の活動に対する想いと、生涯の夢をお聞きしながら紐解きます。
すべての人が楽しく過ごせる空間を創りたい
上野さんは8年前にイベント派遣「楽創(たのしそう)」を立ち上げ、代表として活躍中。福山近郊の企業とともにイベントを企画し、ハンドメイド、整体、マッサージ、雑貨販売、占い・診断、子供服販売、キッチンカーなど、多彩な出店者を派遣しています。
直近(2024年)では、ゆめタウン福山店の「ゆめまるしぇ」や神石高原町 光信寺の湯ゆっくらで開催された「湯〜遊〜ゆっくら光信寺キッズフェスタ」、音楽イベント「HIBIKI 響紀~ひびき~ 光信寺 LIVE」などを手掛けています。
そして、楽創には理念があります。
MISSION(使命)は「イベントに来てくださった方、出店してくださる方、すべての人が楽しく過ごせる空間を創る」こと。
VISION(目標)は「楽しい事を一緒に作り上げてくれる人たちを増やして、地域・企業様共に輝けるイベントを創る」こと。
VALUE(行動指針)は「自分だけじゃなく、お互いに助け合い、みんなが輝けることを目的に、来てくださるお客様と一緒に楽しむ」こと。
まさに、地域企業や出店者の方々が輝き、お客さまと一緒に楽しめるイベントを目指しています。
私がまとめて営業しましょう
60歳で楽創を立ちあげた上野さん。きっかけはその3年前にありました。「苔玉の勉強をしたんです。何か趣味を持とうと思って」
苔玉で2回ほどイベントに出店し、あることに気づきます。「周りの方を見ると出店に精一杯で、出店の営業までは手が回っていないようでした。じゃあ、私が出店者のクループを作って、まとめて営業しましょうと。それがこの世界に入った最初でした」
上野さんはそれまでずっと営業や人と接する仕事に就いており、人に会うことが大好きでした。
楽創の営業活動を始めるにあたり、当初よりポリシーがありました。それは「企業と仕事をする」こと。「企業さまからお金をいただいて企画をするのが私の仕事の第一歩。集客のあるところに仲間をいっぱい呼んで、お客さまに楽しんでいただけるイベントをすることが夢だから」
そして実現した最初のイベントが、「ふれあいホームタウンみどりまち」で開催された『ほっこり村』でした。それを皮切りに楽創はハローズ・フジグラン・啓文社などの商業施設でイベントを企画、開催。楽創の活動が広がっていったそうです。
そして、地域企業との企画も進んでいた2020年、新型コロナウイルスが流行。イベントが立て続けに中止となりました。
コロナ禍を経て、広がるネットワーク
コロナ禍で3年ほどは企業もイベントに慎重で、開催できない日々が続きました。
楽創に在籍する出店者の方々もコロナ前の120名から80名に減少。
「もうやめようかなと思った時もあったけど、楽創のグループLINEを覗くとまだ80名いらっしゃるんですね。コロナが収束したら、また色々できたら楽しいなと思って」
そんな折、上野さんに良いご縁がありました。「ゆめタウン福山の店長さまと、たまたまお知り合いになりました。私、イベンターなんで場所を貸してもらえませんかと言ったら、どうぞどうぞってなって。月1回の『ゆめまるしぇ』がスタートしました」
コロナ禍でイベントがなく困っていたのは、出店者の方々も同じでした。新たな出店の場ができたという嬉しい話が在籍メンバーからの紹介や口コミで広がり、登録が増えていきました。
現在は270名のメンバーとつながっているとのこと。「どんどん仲間が増えて、復活しました」
上野さんとともに楽創を運営する事務局メンバーも10人ほど在籍。出店者だった40~60代を中心に、司会・音響・デジタルなどのスキルを活かして活躍されているそう。「私を含め一人一人じゃこの規模のイベントはできないと思うんです。でも、皆さん十人十色で別々のスキルを持っているから、集まると何かできているんですね。本当にね、優しい人たちが集まってきていると思います」
イベントの宣伝方法にも楽創流がありました。「イベントのチラシを作って紙ベースで宣伝しています。
楽創で主催しているイベントでは、次のイベントのチラシを配ってお知らせしています。また、出店者の皆さまにチラシをお渡ししておくと、参加しているイベントで配ってくださるんです」
ここでも人と人とのネットワークが力を発揮しています。
上野さん曰く「私、毎日出歩いていないとダメなんです。もし、私をおとなしくさせたいなら、3日鍵かけて家に閉じ込めておけばいいかも(笑)でもこうやって、出歩いているからこそ、ご縁がつながっているんじゃないかと思います」
輝いていたい、そして最後まで社会と関わっていきたい
上野さんはイベントに関わる方みんなに輝いてほしいと言います。「まず輝いてほしいのは出店していただいている方。お客さまにも輝いてほしい。ご一緒している企業さまにも輝いてほしい。そしてその中で、私が一番輝いていたいなあと思っています」
そして、上野さんの夢は「生涯現役。最後まで社会と関わっていきたい」ということ。
「今のような活動ができなくなくなったとしてもね、私が老人ホームや施設に入ったら、そこで何か教えてあげたいと。その時はもう貢献される側なのだろうけど、私が社会に貢献できる範囲内で関わっていく一生が良いなと思っているの。それが私の一生涯を通しての目標です」
取材協力:ふれあいホームタウンみどりまち(福山市緑町1-51)
プロフィール
上野 登亮子(うえの のりこ)
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編集部より
そして取材終盤、ふと上野さんの手元のメモ帳を見てハッとしました。この取材で話したいことが見開き2ページいっぱいに書かれていたからです。伸びやかで美しい字でした。そのお気遣いに感動するとともに、ああ、上野さんは会う一人一人としっかり向き合ってきた方なんだなあ、だからこそご縁がつながっているんだなあと実感しました。