ごぼうの力で毎日をもっと元気に。玉子焼から始まった会社が届ける、体に優しいヘルスフード|株式会社あじかん
ごぼうと聞くと、煮物やきんぴらを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、お茶にすることで食物繊維やポリフェノールを気軽にとることができるのだそう。
玉子焼などの業務用食品を製造・販売している株式会社あじかんが、なぜごぼうを使ったヘルスフードに取り組むようになったのか、そしてその魅力についてご紹介します。
おいしい“ごぼうの力”で、お通じの悩みを解消
今回は広島市西区にある、あじかんのヘルスフード事業部を訪問し、お話をお聞きしました。

𠮷田さんの手元にいるのは、ごぼうのあじかん・公式キャラクター『ごぼっち』。
(左)研究部 平尾 凌(ひらお りょう)さま
(右)ヘルスフード事業部 𠮷田 周平(よしだ しゅうへい)さま
■ヘルスフード事業部やごぼう茶を始めたいきさつを教えてください。
平尾 凌さん(以下、平尾) あじかんは、長年にわたり玉子焼など業務用食品の製造や加工を中心に事業を展開してきました。2008年に当時の開発本部長が「卵以外にも、会社の柱になるような新しい事業を育てたい」と発案したのがきっかけで、新しい挑戦が始まりました。
実はあじかんでは、野菜の加工品も扱っていて、中でも「ごぼう」が多いんですね。
それで、中国を訪れたときに、ごぼう茶を飲む機会があったんですけど…正直、あまり美味しくなかったと聞きました(笑)。でも「日本人の味覚に合うように工夫したら、受け入れられるんじゃないか」と思ったのが、ごぼう茶の開発を始めるきっかけでした。
■あじかんの「ごぼう茶」の特徴は何でしょうか。
平尾 ごぼう茶と聞くと「泥臭そう」「クセが強そう」と思う方もいるかもしれません。でも、あじかんのごぼう茶の一番のポイントは、焙煎技術。独自に高めてきた焙煎の技術で、ごぼう特有の土臭さやエグみを抑え、おいしく仕上げています。

あじかんのごぼう茶ラインナップ(一部)。ティーバッグタイプのごぼう茶は、国内ごぼう茶市場で13年連続シェアNo.1をキープ。(TPCマーケティングリサーチ調べ)
■ごぼう茶を飲むと良い効果がありますか。
平尾 便通改善が期待できます。ごぼうに含まれる「イヌリン」や「ポリフェノール」が腸内の善玉菌のエサとなり、お通じの改善につながります。
ごぼうには水溶性と不溶性の食物繊維が、理想的なバランスで含まれていて、腸の調子を整えるにはぴったりの食材ですね。

「ごぼう茶を飲むとお通じに良い働きが期待できます。」
𠮷田 周平さん(以下、𠮷田) 特にシニア世代にとって、お通じの悩みって身近ですよね。
あじかんでは、老健施設にごぼう茶を提供することもあります。高齢者の方もお通じを良くするには水分をしっかり取ったほうがいいんですけど、味のない水を1リットル飲むのはなかなか大変です。そんな時、ごぼう茶なら味わいを楽しみながら自然と水分補給ができるんです。
平尾 シーンを選ばずに飲めるのもごぼう茶の良いところかも。和食はもちろん、いろんな食事に合わせやすいです。意外かもしれませんが、ルイボスティーなどよりもクセが少なく、飲みやすいと思います。
特にシニアの方はごぼうを食べ慣れているので、受け入れてくださる方も多いですね。お茶だと面倒な調理の手間もありませんし。
それに、ノンカフェインだから夜でも安心して飲めるのもポイント。水分補給しながら健康にも気を使えるので、毎日の習慣に取り入れていただきやすいと思います。
■ペットボトルタイプのごぼう茶も販売されていますね。
𠮷田 ペットボトルタイプのごぼう茶は、手軽に飲めるのが魅力です。でも、開発には14年もかかりました。
というのも、品質安定させるために乳化剤などの添加物を入れる必要がありますが、そうするとごぼう茶の繊細な風味が損なわれてしまい悩まされました。
何度も試行錯誤を重ねた結果、ようやく商品化までたどり着くことができたんです。

「ペットボトル商品を提供することで、より幅広い層に手に取ってもらうことを目指しました。」
■ごぼうから生まれたスイーツ「GOVOCE(ゴボーチェ)」もあります。どのような商品でしょうか。
平尾 ゴボーチェは、カカオを一切使わずに、焙煎したごぼうパウダーで作ったチョコレート風のお菓子です。実は、ビーガン向けの食品を研究しているときに、偶然できた“バターの失敗作”がきっかけで生まれました。

ごぼうから生まれたスイーツ「GOVOCE(ゴボーチェ)」

平尾さんはゴボーチェの開発者。ゴボーチェの試作品を見せていただきました。
■ごぼうの風味がありながらも、まるでチョコレートみたいな味で驚きます。
𠮷田 今までごぼう茶になじみのなかった方にも、手に取っていただきやすい商品になったと思います。
“ごぼうを愛する”プロジェクトで、ごぼうの魅力を世界へ
■ゴボーチェやペットボトルのごぼう茶は社内プロジェクトから生まれたとお聞きしました。
𠮷田 これらの製品は、社内のいろんな部署から集まった『ごぼうプロジェクト』のメンバーによって生まれました。研究、営業、品質保証、総務など、部門の違う社員が一緒になって取り組んでいます。

ごぼうプロジェクトで開発した「ペットボトルタイプのごぼう茶」「ゴボーチェ」。
𠮷田 プロジェクトの合言葉は「ごぼうの力をもっと世界へ広めたい」。ごぼうを使って何か面白いことをしたいという熱い思いを持ったメンバーが多くて、アイディアもどんどん出てきています。
今、ごぼうの生産量や消費量が減ってきているという現状もあるので、日本国内だけじゃなく、ごぼうにあまりなじみのない海外にも広めていきたいという目標があります。

会社の敷地内で実際にごぼうを育ててみたり、公式キャラクター『ごぼっち』を使って情報発信したりと、ユニークな取り組みも行っています。
「美味しいから続けられる」健康習慣を
■最後にZUTTO読者へメッセージをお願いします。
平尾 ごぼうは、1000年以上も昔の平安時代から食べられている、日本人にとってなじみ深い野菜です。食物繊維のバランスが良くて、腸内環境を整える力もありますが、世界ではまだあまり注目されていません。
あじかんでは、そんなごぼうの魅力をもっと広めたいと思っていて、今後は海外にも展開することを目指しています。日本発の健康食品として、世界中の人々にごぼうの良さを知ってもらいたいです。
𠮷田 健康のために“我慢して飲む”っていうのはしたくなかったので、「絶対に美味しくしよう!」とこだわりました。美味しいから毎日飲みたくなる、それがあじかんのごぼう茶の魅力だと思っています。美味しさにこだわるからこそ続けられて、結果的に健康にもつながる。そんな想いを込めて、商品づくりをしています。
「最近お通じが気になる」「手軽に健康を意識したい」「家族みんなで飲めるお茶を探している」、そんな方にこそ、ぜひ一度、ごぼう茶やゴボーチェを試していただきたいと思います。

ごぼう茶商品と。あじかんのごぼう茶はあじかんのECサイトやAmazon・楽天、お近くのドラッグストアやスーパーで購入できます。

お土産をいただきました!ありがとうございます。この紙袋はごぼう端材を活用した、環境に配慮した紙を使用しているんだそう。
プロフィール
株式会社あじかん
広島県広島市西区商工センター五丁目5番24号
TEL/082-535-5050
URL/https://www.ahjikan.co.jp/
事業内容/鶏卵加工製品・野菜加工製品・水産練製品・その他食品の製造、販売、および卸売、農産物の生産、販売、ならびに運輸業
編集部より
ペットボトルタイプの商品化に14年を要したというお話も印象的でしたが、実は過去にごぼうスイーツの開発にも一度失敗していたとのこと。それでも諦めずに挑戦を続ける姿勢からは、不屈の精神と柔軟な発想力が感じられました。