ZUTTO応援団公開日:2025.12.24更新日:2025.12.24

川の街で水辺のスポーツを始めよう!シニアにもおすすめのSUPとは? |マジックアイランド

川の街で水辺のスポーツを始めよう!シニアにもおすすめのSUPとは? |マジックアイランド

川や海に囲まれた広島の街。その豊かな自然環境を舞台に、SUP(サップ=スタンドアップパドルボード)という新しいスポーツを広めている「マジックアイランド」。
日本スタンドアップパドルボード協会理事でもある代表の西川さんが33年前に始めたお店は、いまや広島の街を巻き込んだイベントにも携わり、知る人ぞ知る有名店になりました。

シニア世代にとっても健康づくりや仲間づくりのきっかけになるSUP。
その魅力と広島ならではの環境について、お話を伺いました。

目次

広島の街で、スポーツを楽しもう

マジックアイランド代表 西川 隆治(にしかわ りゅうじ)さま

 

ZUTTO応援団 マジックアイランド代表 西川さん

色も形も様々なサーフボードを前に、お話しして下さった西川さん。

 

■お店を始めたきっかけを教えて頂けますか?

西川 隆治さん(以下、西川):僕は以前、証券会社に勤めていたんですが、バブル崩壊をきっかけに退職しました。当時は成果を重視する厳しい環境で、プレッシャーも大きかった。そんな中で「もっと自分らしく、好きなことを仕事にしたい」と思うようになったんです。

趣味でサーフィンやウインドサーフィン、スノーボードを楽しんでいたこともあり、自然を相手にするスポーツを軸にしたお店を作りたいと考えました。

店名はフィジーにあるサーファー憧れの島「マジックアイランド」から。

人々が自然の中で集まり、楽しみを共有できる場を作りたいという思いでした。

 

店内のバーカウンターの風景

いつも爽やかな風が吹いていそうな店内のバーカウンター。

 

■サーフィンやSUPの魅力とは?

西川:サーフィンやSUPの最大の魅力は「自然相手のスポーツ」であることです。

波や風といった自然の力はエネルギーが大きくて厳しいけれど、うまく乗れた時には素晴らしい体験をもたらしてくれます。

そして予定されたサッカーなどの試合とは違って、いい波や風は明日突然訪れるかもしれない。だからこそ常に体を整え、準備をしておく必要があります。

準備不足のまま挑めば、自然の大きな力にやられちゃう(笑)。でもそれは「努力が足りなかった自分の責任。誰のせいでもない」と爽快な気分で納得できる。それも自然相手のスポーツのいいところですね。

 

店内に並ぶウェアやサーフボード

ウェアやボードが並ぶ一角も、なんだかのびのびとした雰囲気。

水辺のスポーツを気軽に楽しめる、特別な街

■広島はSUPに向いている環境でしょうか?

西川:広島は人口密集地の川の占有面積が約15%と、日本一の規模を誇ります。さらに「雁木」と呼ばれる川に降りる階段の数も日本一。東京や大阪では川辺に柵が設けられていることが多いんですが、広島では自由に川へ降りられる場所が多いのが特徴です。

広島にいると当たり前に思えるかもしれませんが、市街地なのに川にすぐアクセスできる環境って、実は特別なことなんです。これを活用しない手はないですよね。

僕はSUPを広島のカルチャースポーツにしていきたいと思っています。気軽に水辺のスポーツを楽しめる環境は広島ならではの強みであり、シニア世代にも大きな魅力になると思います。

 

マジックアイランド発行の「HIROSHIMA SUP CITY MAP」

マジックアイランド発行の「HIROSHIMA SUP CITY MAP」にはSUPの情報が満載!

川と共にある喜びを復活させたい

■「RiverDo!川辺コンソーシアム」のメンバーとして活動なさっていますね。

西川:広島という街は、川とともに発展してきました。

今にもつながる産業や文化を育めたのは、太田川のおかげです。

広島は農業に不向きな砂地だっだけど、船を使って中国山地の木材やたたらの鉄を運べたことで、鉄の加工業が盛んになりました。呉の鑢(やすり)や、針・秤など「安芸十利(あきじゅううり)」と呼ばれる鉄製品の産地も、川の物流があったからこそ生まれたものです。

さらに、川は人々の暮らしや楽しみの場でもありました。

原爆投下後も、子どもたちは戦前と同じように川で泳ぎ、飛び込み台で遊んでいたという記録があります。戦争があっても変わらない風景があった。それって素晴らしいことだと思うんです。

江戸時代、京橋川では祇園祭のような華やかな「広島管弦祭」が行われ、飾り舟が並び、市民が橋に集まって崩落するほどの賑わいだったそうです。サンフランシスコ平和条約が締結されたお祝いの祭として広島市民が選んだのもこの「川祭り」でした。

広島の人々にとって、川は生活に欠かせないもので、文化の中心だったんです。

いまその歴史は忘れられかけているかもしれませんが、「RiverDo!川辺コンソーシアム」によって川祭りの復活やSUPの普及活動が始まっています。この活動に関わりながら、川とともに歩んできた広島のアイデンティティを、ぜひ復活させたいですね。

 

川遊びの活動について語る西川さん

「川と共にあるふるさとの素晴らしさをもっと知ってほしい」という想いで活動されています。

 

11月に開催された「RiverDo!ひろしま川祭り2025」のSUPレース大会の様子。

SUPは誰でも始められるスポーツ。ぜひチャレンジを!

■シニア世代でもSUPを始められるでしょうか?

西川:安全面では、ライフジャケットの着用や適切な装備はもちろん、インストラクター資格を持つ指導者を増やし、初心者やシニアの方でも安心して体験できる環境を整えています。

SUPは関節に掛かる負荷が少なくシニア向きですし、バランスを取らされるため姿勢が良くなります。背中や腰を曲げたままだと、ボードの上に立てなくて水に落ちてしまうから(笑)。水に落ちないようにするには、体の軸を使うしかないので、ボードの上にいるうちに自然に体の軸が出来て骨の位置が整う。すっきり気持ちよくなります。

さらにバランスを取る力は肉体だけでなく、人とのコミュニケーションにも通じます。体の軸が整うことで心も安定し、人間関係も円滑になると思います。

シニア世代にもまずは一度、体験してみてほしいですね。

 

常連さんの華麗なSUP姿

シニア世代の常連さんが、華麗なSUP姿を披露して下さいました。

プロフィール

マジックアイランド

広島県広島市西区楠木町1-15-4
TEL/082-234-1144
URL/https://magicislandsurf.com/
事業内容/アクションスポーツ用品の販売、スクール、イベント・ツアーの企画・運営

編集部より

西川さんの「SUPを広島のカルチャースポーツに」という活動の源は、ふるさとの自然の素晴らしさや恵みに気づいてほしい、そこから喜びや誇りを感じてほしいという熱い想いでした。当たり前の風景と思ってきた広島の川ですが、あらためてその歴史を知り、水面に立ってみれば、きっとみんな同じ気持ちになれるだろうと思いました。

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